11月13日(火)〜11月22日(木)

<11月13日(火)〜11月15日(木)>

なかなか使い方がわからなかったVAG(交通会社=全国のドイツ鉄道網ではなく地域交通網)の自動券売機の解説書を見つけた。女性が笑顔で「簡単で早い」って言ってるので,開けてみた。ところが,ものすごく基本的な使い方しかのっていない。近くの目的地に片道で行くとき,とか1日券を買うとき,とかはこれでいいけど,問題の,地域交通からドイツ鉄道に乗り継ぐというパターンは相変わらず不明のまま。笑顔にだまされてしまった。

笑顔の表紙
笑顔で「簡単で早い」
基本解説
中は基本の解説だけ
回数券
回数券 (5回券と10回券)

その後,いろいろやったり調べたり,推論してみたりして,だんだんシステムがわかってきた。回数券というものがあった。通常使う回数券には5枚券K(短距離用)と,10枚券がある。バスに乗るには5枚券Kを1枚使う(Kはkruz=短距離の略。他にAがある)。バスの単価は1.6ユーロで,5枚券は7.1ユーロ(1枚1.42ユーロ)。10枚券は2枚以上必要な遠くに行くときに使う。エアランゲンのバス停からニュルンベルグ駅を経由して空港までは,4枚で行ける。10枚券9.7ユーロだから,3.88ユーロとなる。これまでに書いた3.9ユーロに比べると少しだけ安い。…実は,これまでもバス停から空港までは3.9ユーロで行けたようだ。バスを使うときは,それを知らずに1.6ユーロ払っていた。徐々にいろんなことがわかってくる。

ところで,空港からの帰りにはどうしてもエアランゲン行きのチケットが買えなかったのだけど,この回数券を使えばその必要がない。ニュルンベルグ空港の自動券売機では,ニュルンベルグ市内行きの切符と,この回数券が買える。要するにこれを買えば,家まで3.88ユーロで帰れたというわけだ。これはしかし,いきなり空港にやって来た旅行者には,絶対わからないことだと思う。そして,Erlangen行きの切符が買えないことにはあいかわらず納得できない…けど,そんな無限に可能性がありそうな買い方を地方交通の自動券売機に求めるのがまちがってるのだろうね。


クリスマス市の準備
大学前広場でクリスマスマーケットの準備

<11月16日(金)>

大学の前の広場では,クリスマスマーケットの準備が始まった。大きなもみの木が立てられて,まわりに小屋ができていっている。どこの町にでもできるクリスマスマーケットだけど,エアランゲンのマーケットはどんなだろうか。小さな町に似合ったかわいいマーケットかな。

町の商店も,クリスマス飾りをはじめている。壁に飾り付けをするし,かなり大がかりな作業になっている。

埋もれ気味
フリードリッヒ・アレクサンダーの像も
もみの木を背負って埋もれ気味
商店街の飾り付け
商店街も人を雇って飾り付け

夜はエアランゲン室内オーケストラを聴きに行った。いわゆる市民楽団。ところが,歌のソリストがびっくり。Cornelia Goetz。すばらしい歌が聴けた。場所は,バイエルン州では一番古い劇場にある(ほんとかな),Redoitemsaal。オーケストラはちょっと低弦の人数超過かも。

とてもおもしろかったのが,手作り感。演奏会に花束はつきものだけど,それを渡すのは,全部舞台に乗ってた演奏者。気が付いたらいなくなってて,舞台下手から花束をもって出てくる。それに,予ベル!トランペット奏者が,生演奏で予ベルを吹いてた。そして,お客さんが拍手したりして。ベルに拍手がある演奏会なんて,はじめて!


<11月18日(日)>

ニュルンベルグの駅のそばには,ドイツ鉄道博物館がある。昔から,鉄道模型と言えば,ドイツ鉄道。自分では買うことなどとてもできずに,雑誌の記事とかで読むだけだった。その巨大な模型がここにはある。

はじめてドイツに来てから,ドイツ鉄道の列車は大好きだ。乗りごこちや運行のコンセプトが,少し日本の鉄道とは少しちがう。通常は2等のワゴンに乗るけど,そこにもテーブル席もあるし,電源もある。ビジネスで使うには,かなりいい。食堂車も健在。ビールもグラスで飲めますよ!駅弁を売りに来る日本の鉄道とは,ちがった魅力がある。どちらがいいとは言えませんね。

鉄道模型は,本当にすごい。いくつもの電車が同時に動く。ICEが長〜いトンネルに入って,しばらくしてから出てくる。たぶん10秒ぐらいあった。REとかSバーンとかも,それぞれに速度がちがって,面白かった。

鉄道模型
ドイツ鉄道博物館の鉄道模型
子どもに大人気

列車そのものの展示は,とても場所をとる(当たり前ですね)。さすがに見応え十分。中でもすごいのは,ノイシュバンシュタイン城を作らせたフリードリッヒ2世の専用列車。とても豪華。客室の天蓋には絵が描かれている。

ドイツではじめて走行したAdler号の複製模型もある。ドイツで鉄道開業100周年に当たる1935年に復元されたらしい…って調べてたら,なんと2005年に機関庫の火災で焼失したらしい。それをまた,2007年に復元しなおしたということだ。展示場の床に線路が敷いてあって,それが壁を通り越してそとまで繋がっているとおもったら,時々,ニュルンベルグとフェールとの間を特別走行しているそうだ。

ドイツ鉄道…と聞いて,頭をよぎったのは,暗い時代の話。やはりそれに関する展示があった。これは,ドイツの歴史の中では,飛ばせない。

そうそう,楽しめたのは,各鉄道駅の写真。かなりの駅に行ったことがあることに気づいた。それぞれの駅に,特徴がある。

フリードリッヒ2世専用車
フリードリッヒ2世の専用列車。
アドラー号
復元されたアドラー号
自動券売機
こだわってるわけではありませんけど
昔の自動券売機
ライヒスバーン
ライヒスバーン関連の展示

夜は,ニュルンベルグ教員合唱協会の演奏会に行った。マイスタージンガーホール。

メシアンはオルガンの独奏。プーランクは,2台のピアノとオルガンとパーカッション。

これ,変わった編成だと思って聞き始めたら,どうも聞き覚えがある。何だろうと思っていたら,2台のピアノとオーケストラのコンツェルトを,この編成に編曲したものだった。後からニュルンベルグ・シンフォニカーが出てくるのにどうして…,と思ったのだけど,オルガンをフルに使いたかったとかの理由があるんだろう。ピアノの2人は姉妹のピアニストで,ミュージックショップでCDも売ってた。そういえば,この前に聴いたのはラベック姉妹の演奏だったな。

ラインベルガーは初めて聴いたけど,綺麗な曲だった。子どもの素直な声がよかった。

最後の曲しか弾かなかった,ニュルンベルグ・シンフォニカーだけど,ちょっともったいないな。…とても不思議な曲の組合せと編成のコンサートだった。


11月21日(木)

今日は,「祈り・懺悔の日」という休日。朝から,隣の家の子どもが練習するピアノが聞こえていた。…とはいえ,〆切り直前の仕事が山を越えない。なんとか終わって,週末はミュンヘンにいきたい!!


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