Frankfurt生活13週目

<7月1日(日)>

今日から7月。研修もあと3ヶ月になった。このうち10日ほどはメルボルンに行くので,ドイツはあと80日。

今日は,トライアスロンのヨーロッパチャンピオンシップが行われているというので,市役所広場まで行ってみた。途中の通りもコースになっていて,ガードされている。自転車が走りすぎるのをまって,道を横切る。市役所広場には,巨大なゴールが設置されていた。 20段ぐらいの階段式観客席に,300インチぐらいの大きなスクリーン。こういうものが,移動式で作られるというのが,どうにもすごい。サッカーの試合をするスタジアムもあるのだから(空港から1つフランクフルト寄りのDBの駅がそれ。ここ昔はSportfeld=スポーツ場という名前の駅だったように記憶しているのだけど,スタジアムに名称変更したのだろう。おそらくサッカーのワールドカップのとき?),そこを使えば良いと思うのだけど,人が集まるところに持ってくる。広場の使い方をよく知っている国だなぁと思う。

ところで観客席の下には,確か銅像と噴水があったはずだ。これの周りに支柱を立てて,スタンドを作ったわけだ。オペラ広場でも似たような工事をしていて見ていたけど,よくそういう危ないことを企画するものだと感心する。銅像に何かあったらどうするんだろう。意外に作り直して終わり…みたいな感覚なのかもしれない。

帰宅してから文献を検索してダウンロードしたりしていると,あっというまに時間が過ぎた。ダウンロードするのは簡単だけど,読むのは時間がかかる。大きめの字でプリントアウトすると楽に読めるような気もするけど,そういう道具がこちらにない。なんでも使える環境ってのは,便利だとつくづく思う。

ウォーキングの途中で雨になった。だからウォーキングがランニングになった。あわてて走って帰る。トライアスロンの最中が雨でなくてよかったと思う。

トライアスロンの自転車
トライアスロンの自転車が力走する

市役所広場
レーマー広場がゴールになっている
臨時のスタンドができていて,大型スクリーンには
レースの模様が中継されている

州別のICT導入度
州別のICT導入度が公表されている
<7月2日(月)>

朝からもかなりの雨。久しぶりに傘を使った。

DipfでEducation Weekの3月号を入手。アメリカのICT導入に関する特集号だ。端から目を通す。各州がどれだけICT導入に真剣かを測る指標を立てて,順位づけした表が載っている(日本も最近,県別データを公表していますね)。例えば,「コンピュータと子供の比率」のようなハードウェア,「デジタル・リテラシーを測る基準やテストの有無」のような基準,教師のリテラシー項目の有無や,教員免許での要求水準のような教える側の基準である。「コンピュータによる試験をやっているか」「バーチャル・スクールがあるか」というような項目もある。これにほとんどチェックがつく州もある。

もうすぐプレゼンをするのだけど,日本のICT導入状況についての調査もぼちぼち公表されてきているし,このあたりがテーマの一つになる。アメリカの様子とからめて話せるか。

そして…帰ってみたら部屋に干していた傘を忘れてきていた。帰りは日が差して暑いぐらいだった。気温は15度。sigh.....


7月3日(火)

Dipfに行ったのは良いが,窓の下で工事がはじまった。この前までは廊下を挟んだ部屋側の工事だった。音はしていたけど,絶えられないほどではなかった。なにやら地下に埋まっているパイプを取り替えているようだ。ともかく音がうるさくて仕事にならない。1時間ほど我慢したものの,さすがにたまらなくなり帰ることにした。

空模様は相変わらず不安定で,出勤のときは晴れていたのに,部屋に着いたとたんに雨。止んだのを見計らって帰ったら,家についたとたんにまた雨。そういう意味ではうまく合間を縫って歩いている。

働くパワーショベル
パワーショベルで地面を掘り返している
それはもう大騒音


ライオン
民家の前のライオンの像
はたして阿吽(楽屋落ちですみません)?

7月4日(水)

しばらくDipfに行くのはやめにしよう。あの工事がなんとかならないと,行っても無駄。…したがって,今日は朝から家で仕事。昼もいつものサンドイッチ・ランチではなく,昨日買っておいた材料でスパゲティ。久しぶりに暖かい昼ご飯だった。

しかし,通勤しないとなんとなく運動不足。2時ごろから取材も兼ねて歩きに出た。何の取材かというと…写真のライオン。昨日S原先生のページで,ドイツのライオンに阿吽はあるのかという調査依頼がでていたもので,なんとなく気になっていた民家先のライオンの写真を撮りに行った。そのまま,レーマー広場ででも本を読もうと思って出たのだけど,ハウプトヴァッヘに着いたところでまた雨。これはいかんとそのまま帰宅。

ウィンブルドンもそうらしいけど,ともかくコロコロ天気が変わる。夕食後,きれいに晴れたので雨になる前にと思ってすぐにウォーキングに出た。ところが,後半大雨に見舞われた。巨木の下で雨宿りをしていたけど,あまりの雨脚の強さに無意味でずぶ濡れ。まあ,こういう日もあるさ。

文献整理はだいぶ進んだけど,これはいろいろたどり始めるときりがない。面白いというか,義務感というかでずっとやってたりするけど,どこかで切りをつけなければ,時間ばかりかかる。


7月5日(木)

連絡があって,プレゼンが8月20日に伸びた。7月は所員がみんな夏休みで居なくて,調整がつかないんだそうだ。日本のICT指導力調査の結果がそろそろ出るので,そのネタなどを入れられるから,伸びたのはありがたい。とはいいながら,とりあえずプレゼンは作り始めよう。一朝一夕ではできないように思う。プレゼンは,まずは自己紹介からで,ここで笑いを一発…などといらんことを考えながら作り始める。

切ったらすぐに食べられてとても簡単なので,昼夜キュウリがメニューにのぼる。切り始めると,つい調子に乗って沢山切ってしまって,皿にのりきらないぐらいになる。もっともこちらのキュウリはやたらでかくて,35cmぐらいの長さ,4cmぐらいの直径だ。これを7〜8cmも切ると,すごい量になる。あまり長くおいておかないようにしようとすると実はこれぐらい食べなければならないという強迫観念もあったりする。いやほんと,このキュウリ,でかいですわ。

キュウリ
キュウリ(横にあるのはボールペン)

アヒルの子
いつもとちがうルートを歩くと
川岸に沢山の白鳥がいた
子供連れの白鳥もうかんでいて,その子供の薄汚いこと
もう大分大きくなっているけど
あとどれぐらいで真っ白になるんだろう

7月6日(金)

かみさんの再来独。実は,今週はドイツ鉄道のストライキ。昨日は5時から9時まで電車が止まっていたらしい。夕方到着するので,それにかぶると空港まで行くのも市内まで帰るのも大変だと思って,若干早めに家を出る。しかしながら杞憂に終わり,いつもよりも早く着くぐらい。なので,空港で時間をもてあます。キリスト教と世界史についての本を読んで時間を過ごす。

この本,創世紀元(神が世界を6日間で作ったとき)を起点とする普遍史がどのように崩れていって,さらにキリストの生誕を起点とする現在の西暦から,宗教的な色合いが落ちていくプロセスを明らかにしている。そこに,エジプトや中国の歴史の古さがからんでいる。ヨーロッパの歴史家たちは,なんとかそれを普遍史に押し込めようと苦労するのだけど,結局は不可能で,ついには創世の話やノアの箱船の話が歴史ではなく神話とされていく。例えばニュートンも,普遍史側の人間だったとか,意外に最近まで世界史が成立していなかったことがわかってくる。とても面白かった。(岡崎勝世,『聖書vs.世界史〜キリスト教的歴史観とは何か』,講談社現代新書,1996)

夕食は,かみさんが関空で買ってきた「柿の葉寿司」。いやぁ,寿司はほぼ3ヶ月ぶり。うまかった。


7月7日(土)

七夕ですね。こちらにはそんな行事は全くなく,普通の土曜日。昼から,いろいろ買い物に出た。これから夏休みも始まり,息子もやってくるし,いろんなお客さんもみえるので,寝具などの準備もしておかなければ。そういえば,風呂場に脱衣籠もなかった。…というわけで,両手に荷物を提げて帰ってきた。夕食は,盛岡冷麺。2日続けて,懐かしい味だ。

いつものGrueneparkに,先週からテントが張ってあった。何かと思ってはいたのだけど,実態が明らかになった。今日,そこで演劇をやっていた。ウォーキングの途中にちらっとのぞいただけだけど,お客さんもそこそこ入っていた。公園にテント張りの舞台で演劇をやるっていうモバイル感覚,移動遊園地と一緒かな。エンターテイメントは,そういうものだという常識があるのかも知れない。日曜日にも感心したけど,ヨーロッパのモバイル・エンターテイメント文化,恐るべし。

公園の演劇会場
公園のテント劇場
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